今年は寒冬!極寒の冬に備えておきたい「防寒着」の選び方

今年の冬は「寒冬」と言われています。日本の冬の寒さをしのぐには「防寒着」は必需品ですが、場面に合わせたアウターの選び方や重ね着術についてはあまり考えたことがない、という方も多いのではないでしょうか。今回は、アウターの選び方やレイアリングの仕方、寒い地域での防寒対策についても併せてご紹介していきます。

寒い工場作業に必須の防寒着!どう選べば安心?

2021年の冬は「寒冬」

2020年9月10日に、気象庁より「ラニーニャ現象」の発生が発表されました。ラニーニャ現象とは赤道周辺の海面水温が下がった状態が続くことを指します。

このことで日本は、夏は太平洋高気圧の影響で猛暑になり、冬には西高東低の気圧配置の影響で気温が低くなるだろうと予想されました。ラニーニャ現象が発生すると、日本では特に関東甲信地方などの東日本で気温が低くなる傾向にあります。

去年、一昨年と暖冬が続いたので寒さ対策について気にしていない方も多いですが、健康でいるためにも外出時に身体を冷やさない「防寒着」の存在は非常に大切です。

どんな防寒着を選べば良いのか

普段着として使用する物にもアウトドアなどで使用する物にも共通して言えるのは「身に着けたときの温かさ」、「動きやすさ」、「シーンに合った性能」があるかどうか、をポイントとして選ぶのが良いでしょう。保温性があることは防寒着として当たり前のことですが、実際に着てみて動きやすいことも非常に重要です。

アウトドア用に防寒着を買ったけど肩や腕周りの可動域が狭くてあまり使っていない、というのは非常に勿体ないですよね。また、「シーンに合った性能」がしっかり備わっているのかも重要です。一口に「防寒着」と言ってもその性能はさまざまです。

防寒着には防水性を兼ね備えるものはもちろん、帯電を防止してくれる機能を持つものもあります。皆さんも通勤時に使いたい防寒着と深夜から早朝にかけての釣りでは装備する衣服が違うと思います。つまり“どんな時に出番が多いか”によって選ぶべき防寒着が変わってくるのです。

お店で試着する前にまず、どんな時に使い、どんな機能を必要とするのかを明確にしましょう。冬の防寒着は多くの生地が使われており、雨風に負けない耐久性もあるので、当たり前ですが夏服ほど安くはありません。しかし、シーンによって使い分けることやレイヤリングの仕方を知ることで、無駄に買い足すことなく、安価でも十分寒さをしのぐことができます。

防寒できるレイヤリングとは

防寒着でより暖かくなるためには「レイヤリング」が欠かせません。レイヤリングとは、洋服を「レイヤードする(重ねて着る)」ことです。重ね着を上手く活用することで体温を保つことができます。防寒には「ベースレイヤー」「ミドルレイヤー」「アウターレイヤー」を意識して取り入れるのが良いでしょう。

ベースレイヤー

「ベースレイヤー」とは、肌に一番近いインナーのことを指します。スポーツ選手などがよく着ているポリエステル素材のインナーは耐久性があり、汗冷えを防いでくれるような速乾性のあるものが多いです。こういったインナーはスポーツやアウトドアはもちろん、屋外に対して屋内が暖かい積雪地域でも役立ちます。

日本の寒い地域では、冬の暖房は欠かせません。少し歩いて屋内に入っただけでも防寒着の効果でかなり暑くなってしまいます。そのときの発汗による冷えを防いでくれるのが速乾性のある肌着です。綿素材の肌着はあたたかみはありますが、水分を含むと冷えてしまうので汗を掻くときには避けた方が無難でしょう。

ミドルレイヤー

「ミドルレイヤー」は、インナーの上に着るトップスや軽めのパーカーなどのことを指します。ミドルレイヤーは冷たい空気を中に入れさせないためのものです。素材や形状はそれぞれの好みがありますが、作業や運動をする場合や暖かい場所にすぐに移動する場合には脱ぎ着しやすいパーカータイプのものを選ぶと良いでしょう。

また、最近では、折りたためるほど軽くて薄いダウンも販売されています。それをアウターの下に仕込むのもかなりの防寒対策となるでしょう。

アウターレイヤー

「アウターレイヤー」は、いわゆるダウンやコートのことを指します。アウターは、ミドルレイヤーの上から羽織るものなので締め付け感のないゆとりのあるものを選ぶのが良いです。ミドルレイヤーとアウターの間に隙間ができると暖かい空気が保たれ保温性もアップしますが、袖や首元が大きく開いたものは空気がよく通り抜けるため保温性はそれほど高くありません。

より防寒したいなら、首や手首から風が通りにくいものを選びましょう。このように防寒したい度合いやシーンによってレイヤリングすることで、今ある防寒着を上手く活用しながら寒さ対策をとることができます。

北海道民に学ぶ寒さ対策

北海道の冬は「痛いような寒さ」とよく表現されますが、他の部位より出ている面積の多い顔周りは特にそれを感じやすいので、イヤーマフやニット帽、ネックウォーマーなどの取り外しができる「防寒グッズ」は必須です。

また、北海道に住む人は通勤・通学時の短い時間でも手袋をしています。防寒グッズは洋服とは違いすぐに取り外すことができるので、外の気温に対して屋内は非常に暖かい北海道では温度調節のためにこれらのグッズが欠かせません。

また、北海道に住む人たちは「足元の防寒」にも気を付けています。雪で足元が冷えると一気に体温が奪われてしまうからです。ダウンや厚手のコートで上半身を覆うことももちろん大切ですが、タイツや靴下、ブーツなどでしっかりと下半身を温めることも大変重要です。

ボトムスにはウールやナイロン、コーデュロイなどの保温性の高いものを選び、外気の影響を受けやすいデニムや綿素材のものは避けるのが無難でしょう。ブーツも保温性が高いものを選ぶとより快適です。北海道では秋になれば「冬底」のブーツが靴屋を占拠します。

ゴム製の靴底にガラス繊維を合わせた滑りにくい素材の冬底ブーツは、濡れた地面や雪の上でも安全に歩くことができます。

賢く使って寒い冬を乗り切ろう

防寒着を用意する上で、どうしても気温のことばかりに気をとられがちですが、「どういう場面でどう過ごすのか」によって防寒着に求めるものは変わってきます。極寒の冬を越えるには防寒着が持つ機能だけでなく、シーンによって使い分けることができる個人の判断力も重要になってきます。

防寒着に着心地や保温性を求めるのはもちろんですが、買いに行く前に「それを着てどう過ごすのか」を今一度確認してみてください。