工場勤務者の中には、冬場の寒さに悩んでいる人も少なくないはずです。広い空間では暖房もききにくく、会社から支給される防寒具では物足りなさを感じることもありますよね。不便なく働くには頼れる防寒着を用意することが大切ですが、色々な種類があるために選び方に困るものです。
防寒着選びはどんなポイントを確認すれば良いのか、選択のコツをチェックしてみましょう。
名ばかりの防寒着が多い実態
防寒着に分類される物ならば、どれでもそこそこの暖かさがあるように思えるかもしれませんが、実際はそんなことはありません。巷には防寒を銘打った作業着の数々が存在するものの、いざ着用をしてみると、スカスカで寒さを全然しのげなかったり、ファッションダウンジャケットの方がいくらかマシだったりすることも珍しくありません。
そんなこともあって、名ばかりで見た目だけの防寒着に失敗をした人も多いことでしょう。今後、そうした失敗をしないためには、防寒の名に惑わされない選び方が大切です。しっかりとした機能性があってこそ、求める暖かさを手に入れられますので、宣伝文句や見た目だけで安易に選ばないよう注意しましょう。
保温性に優れた素材
冷え対策の基本は、体温を保温することです。体から生まれる熱が逃げ出しやすい素材では、防寒着の内側が暖まりにくく寒さを感じやすくなります。防寒着によく用いられている素材としては、中綿やボア裏地、防風性のある表地などが挙げられますが、これらはごく一般的な構成で、可もなく不可もなくの防寒性です。
特にランクの低い物ですと名ばかりの防寒着で寒さをしのぎにくいです。より暖かさを求めるには、素材選びに気を配らなければいけません。注目の素材としては、ひとつに「シンサレート」が挙げられます。高機能中綿素材で、暖かい空気を逃がしにくく保温性に優れているのが特徴です。
スキーウェアに用いられているほか、羽毛よりも暖かいという触れ込みで、毛布に用いられていることもあります。軽量素材のために負担にもなりにくい着心地ですし、動くことが多い工場作業の防寒着としてもおすすめです。
シンサレートには種類があり、保温性も違ってきますので、違いに着目しながら選ぶようにしましょう。アルミ裏地を採用する防寒着も注目されています。反射性のあるピカピカとした見た目をしているのが特徴で、保温性に優れるのが魅力です。
これは魔法瓶と同様の仕組みであり、輻射熱によって体を暖めます。軽い着心地でありながらも高い保温性があるため、これもまた体を動かす作業が多い人に最適と言えます。
防風性があり熱を逃がしにくい構造
保温性の高い防寒着を選ぶには、防風構造に着目してみることも大切です。熱が逃げやすいデザインですと体温を一定に保ちにくく、風の侵入で冷えも感じやすくなるでしょう。できるだけ隙間が少ないことが望ましいと言えますので、首元や手首、裾などのフィット感が高い物を選択するのがおすすめです。
縫い目やファスナー部分に、シームテープ加工がされている物を選ぶのもポイントです。チェックが疎かになりがちな部分ですが、縫い目部分なども熱が逃げやすい隙間ですし、そこから風が入ると寒さに繋がります。徹底された防寒着ですと、そうした箇所への配慮もしっかりとされており暖かさが保たれやすいです。
インナーとミドルレイヤーも重要
防寒着はアウター選びが肝となりますが、ただ、外側だけが暖かければ良いわけでもありません。素肌の上に着るインナーと、その上に着用するミドルレイヤーが頼りないようでは、アウターの効果を最大限に発揮することができませんので注意しましょう。
例えばヒートテックやライトダウン、フリースなどを着込んだ上に、選んだ防寒着を着用することで暖かさを保ちやすくなるはずです。汗をかくことが多いようですと、素材によっては汗冷えの原因となり、却って寒くなることもありますので注意も必要です。
インナーやミドルレイヤーを着込む場合は、アウターとなる防寒着のサイズ選びにも気を付けましょう。変に着膨れをしてしまうと動きにくくなってしまいますし、肝心の工場作業に影響を及ぼすようでは良い防寒対策とは言えません。
機動性と防寒性を両立させることが大事ですので、その辺りは体型や作業内容などを考慮しながら、適宜調整を行っていく必要があるでしょう。
室外作業者なら防水性も考慮
中には工場内作業だけでなく、外に出てフォークリフトを操作したり、トラックへの積み込み作業を行ったりする人もいるでしょう。室外作業もあるようなら防水性も考慮した方が安心です。雨や雪の影響を受けやすい素材では不便ですし、冷えたままの工場作業は健康面へのリスクにもなり得ます。
作業シチュエーションを踏まえながら、必要な機能性をプラスしていく選び方を心掛けましょう。
必要なら帯電防止加工も
労働環境によっては、静電気に注意をしなければいけないこともありますよね。そうした場合は帯電防止加工が施されている防寒着を選ぶのが無難です。特に空気が乾燥している冬場は静電気が起きやすく、それが思わぬ事故に繋がる可能性もゼロではありません。
作業着選びでは安全性も蔑ろにできませんので、静電気トラブルの防止も考慮されているのかも踏まえながら選択を行うのがおすすめです。
価格は高い方が安心?
選択のひとつの目安になるポイントと言えば価格ですよね。安い物よりも、高い物を選んだ方が機能性は良かったり、ディテールに拘りが詰め込まれていたりすることが多いのも事実です。そして安価な物ほど名ばかりになっている実態もありますので、基本的にはあまり安過ぎる物には注意することも必要かもしれません。
しかしながら、価格の割に品質の高い製品も数多く登場しています。例えば、「バートル」や「ワークマン」などはコスパの高いアイテムを扱うことで知られており、おまけにファッション性も高いとして注目されています。
また、メンズ用だけでなくレディース用アイテムも豊富ですので、工場で働く女性にも打ってつけです。
できるだけ安くて良い物を手に入れたい時には、こういったメーカーに着目してみるのもおすすめですよ。
適切な防寒着選びで寒さも怖くない!
寒さは工場作業員の大敵です。しかしながら防寒着選びを適切に行うことで、寒さに負けない快適な労働環境を整えられるはずです。特にメインとなるアウターは重要な存在であり、素材や構造によって暖かさが違ってきますので選び方に注意しましょう。
併せてインナーやミドルレイヤーなどにも気を配るのが、防寒対策に失敗をしないためのコツです。